ドイツすげー!/浪費が止まるドイツ節約生活の楽しみ/サンドラ・フェリン/おすすめ星3

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「浪費が止まるドイツ節約生活の楽しみ」サンドラ・フェリンの本は、まさに現代の日本に向けて重要なメッセージを発信しているように感じます。私たちが日々何気なく行っている買い物や生活習慣に、無駄が潜んでいることに気づかされる一冊です。日本とドイツ、両国の文化的な違いを踏まえた節約術は、新しい視点を与えてくれるものであり、少しの工夫で「浪費しない生活」がどれほど楽しく、そして有益であるかを教えてくれます。

ドイツ流の節約術と「義理文化」

ドイツの節約生活は、日本とは根本的に異なります。まず、本書で興味深い点として挙げられているのが「義理」という文化です。日本社会では、何かと義理を重んじ、贈答や付き合いなどにお金を使うことが当たり前とされていますが、これが実は大きな無駄の一因になっていると著者は指摘しています。ドイツでは「義理」に対する考え方が異なり、必要のないことにお金を使うことを避けるのが一般的です。

義理を重んじる日本の文化に根付いた贈答やお礼、さらには友人や同僚との付き合いに費やすお金は、時として大きな出費となります。しかし、ドイツではこのような「無駄な出費」を徹底的に避ける生活が推奨されているのです。ドイツ人にとって、義理を果たすためにわざわざお金を使うのではなく、本当に必要なことにだけ支出を集中させるという合理的な考え方が根付いているのです。

コンビニ文化とドイツの違い

さらに、日常生活の中での小さな無駄として、著者は「コンビニ文化」に注目しています。日本では、いつでもどこでも買い物ができるコンビニが非常に便利で、つい立ち寄ってしまうことが多いですが、ドイツ人から見るとこの「便利さ」が実は無駄の温床となっていると感じるのだそうです。ドイツでは、「ひとつひとつが安くても、何回も買うことで結局は高くつく」と考え、コンビニのように一回分や少量を頻繁に購入することを極力避ける傾向があります。

ドイツでは一度に大量購入をし、計画的に使い切るという方法が一般的です。この習慣は、環境を守る意識とも深く結びついています。使い捨て文化を避け、環境に配慮した生活を送ることはドイツ人にとって当たり前のことであり、コンビニのように「その場で便利に」という考え方はほとんど見られません。

「コンビニは日本人個人の日常的な小さなムダ」という指摘は、耳が痛い話かもしれません。ついお菓子や飲み物を買ってしまい、それが積み重なって出費がかさんでしまう経験は誰にでもあるでしょう。ドイツ人のように、計画的に物を購入する習慣を持つことで、無駄遣いを減らし、お金を有効に使うことができるのです。

環境への配慮と節約の融合

ドイツの節約生活では、環境への配慮が大きなテーマとして掲げられています。著者は「ドイツ人は生活のなかで『環境を守るための行動』『環境を救うための行動』をとることに違和感を持っていない」と述べています。これは、日々の生活で使い捨てを避け、持続可能な方法で消費を行うことで、結果的に節約にもつながるという考え方です。

日本では、便利さが重視され、使い捨てが当たり前になっている面がありますが、これが無駄を生み出し、環境にも悪影響を与えています。ドイツでは、少し不便でも長く使えるものを選び、リサイクルや再利用を重視する文化が根強いです。

ダントツ君の感想:ミニマリストの先駆け?

この本が出版されたのは、断捨離ミニマリズムが広く知られる前のことですが、既にドイツでは物を大切にし、持たない暮らしが根付いていたことに驚かされます。ダントツ君としても、シンプルに物を持たないことが浪費を防ぎ、生活全体を豊かにするという発想には感心せざるを得ません。

節約生活を楽しむためには、ただ無駄を削るだけではなく、環境への配慮や長く使えるものを選ぶという価値観が重要であることを、この本は教えてくれます。日本でも、物を持たないという発想が広まりつつありますが、ドイツはそれをすでに実践している国であり、その点では私たちも見習うべきところが多いと感じます。

まとめ

「浪費が止まるドイツ節約生活の楽しみ」は、無駄な出費を減らし、環境にも優しい生活を提案する一冊です。コンビニ文化や義理文化など、私たちが見過ごしがちな日常の浪費に対して、ドイツ式の計画的で合理的な生活スタイルを取り入れることで、よりシンプルで豊かな生活が実現できるでしょう。

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