1. コンフォートゾーンって何?
「コンフォートゾーン」という言葉を聞くと、なんだか難しそうに感じるかもしれませんが、実はとてもシンプルです。人が「ここなら落ち着く」と感じる行動範囲や環境、それがコンフォートゾーンです。たとえば、いつも座る席やおなじみのカフェ、仲のいい友人としか話さないといった習慣や状況は、まさに自分が心地よいと感じる世界ですよね。
ところが、苫米地さんは、「コンフォートゾーンを広げることが人生の可能性をぐんと拡大する鍵になる」と言います。普段は安心感を与えてくれるコンフォートゾーンですが、その中にずっと閉じこもっていると新しい挑戦や変化を避けてしまいがち。そこで、苫米地さんはコンフォートゾーンを“意図的に作り変える”ことで、自分の理想に近づける方法を提案しています。
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2. なぜ広げる必要がある?
人は現状に満足しているとき、わざわざ危険を冒してまで新しいことに手を出したくないものです。これは脳の仕組みが「現状維持を最優先」するようにできているからとされています。しかし、もし「もっとワクワクする毎日を送りたい」「理想のキャリアを手に入れたい」と願うなら、今より少しだけ大きなゴールを設定し、そのゴールを当たり前の状態=新たなコンフォートゾーンに変えてしまうのが近道だと苫米地さんは説きます。
3. ゴール設定で人生が変わる?
ゴールを高く設定すると、どうしても「無理かも」「現実的じゃない」という気持ちが頭をもたげます。けれど、脳には「認知的不協和」という働きがあって、“自分のゴールと現実のギャップ”を感じると、そのギャップを埋めるために自動的に行動や思考が変化するといわれています。苫米地さんによると、これこそがコンフォートゾーンを拡大させる原動力。たとえ少し高めのゴールを掲げても、そこを新たな「当たり前」にすることで、脳はそこに向かう道筋を勝手に探し始めてくれるというのです。
4. 具体的なメソッド:アファメーションとイメージング
では、どうやって新しいコンフォートゾーンを作り出すのでしょうか。苫米地さんが紹介しているのが、アファメーションとイメージングです。アファメーションは「私は〇〇できる」「私は理想の自分を実現している」というような言葉を、現在進行形や完了形で、まるで本当に実現しているかのように口に出す方法です。声に出して言うと、脳にリアル感が伝わりやすくなると言われています。
イメージングはさらに踏み込んだ手法で、ゴールを達成した自分の姿をできるだけ細部までリアルに思い描き、そのときの感情や周囲の状況まで想像します。「すでに達成している自分」の映像を繰り返し脳に送り込むことで、新しいセルフイメージが形成され、行動や判断がそれに沿って変わっていくというわけです。
5. コンフォートゾーンを壊す勇気
理想に近づくには、現在のコンフォートゾーンから一歩踏み出さなければなりません。しかしいきなり大きく変わろうとすると、脳は「危険だ!」と抵抗してしまうことがあります。そこで苫米地さんは、「ゴールは高く設定してもいいが、そのためのアクションはなるべく“楽しみながら少しずつ”やるのがコツ」とアドバイスしています。
無理やり自分を追い込むと、続かないどころかストレスだけが溜まる結果になりがちです。楽しみの要素を盛り込みながら、小さな成功体験を積み重ねると、いつの間にか「今までの自分では考えられなかった状況」が心地よく感じられるようになります。
6. 継続の先にある新しい自分
コンフォートゾーンは一度作り変えたら終わりではなく、常に更新し続けることが大切だと苫米地さんは強調します。ゴールに到達したら、また次のゴールを見つけ、さらに自分を成長させる。そのサイクルを繰り返していくことで、人生の質そのものが向上していくのです。
たとえば、慣れない英語で電話対応するのが怖かった人が、「英語で雑談できるレベル」を新しいコンフォートゾーンにする。次は「英語でプレゼンができる自分」になり、その先に「海外の顧客とビジネスを広げる自分」が見えてくる。こうして、気づけば以前とは比べものにならないスケールの人生が開けるかもしれません。
7. まとめ
コンフォートゾーンは、居心地の良い“安全地帯”です。そこに安住するのもひとつの生き方ですが、苫米地さんの提案する方法を試してみると、思いがけない未来が手に入るかもしれません。高いゴールを設定し、アファメーションやイメージングで脳を「理想の当たり前」に書き換えることで、いつのまにか自分の世界が広がっているという体験は想像以上にエキサイティングです。
「ちょっと今の自分を変えてみたい」「もっと自由に生きたい」という方は、ゴールを設定し、そのゴールをコンフォートゾーンとして意識してみてください。ほんの少し勇気を出して一歩を踏み出すと、あなたの人生は大きく変わり始めるでしょう。まさに、苫米地さんが教えてくれる“自分の未来を面白くする”秘訣なのです。