日々の些細な出来事で右往左往するのは具体の世界の話で、抽象度を上げれば小さなことに見えて気が楽になりますよ。
細谷功さんの「具体と抽象」は、物事を理解し、解決策を見つけるための思考法についての一冊です。この本では、「具体」と「抽象」という二つの異なるレベルの考え方を使い分けることで、私たちの思考をより深め、柔軟にする方法を提案しています。具体と抽象の間を自在に行き来することで、問題解決や新たな発想を生み出す能力が向上するというのが、細谷さんのメッセージです。この記事では、この「具体と抽象」の考え方について、具体例とダントツ君の視点を交えながら、分かりやすくご紹介します。
・抽象度を上げろ/世界一簡単に目標がかなう成功脳の作り方/苫米地英人/おすすめ星3
・死ぬこと以外小さなこと/小さいことにくよくよするな/リチャード・カールソン/おすすめ星3
具体と抽象とは?その違いを理解しよう
細谷さんの考え方の核心にあるのが、「具体と抽象の違いを理解し、意識的に使い分けること」です。具体とは、私たちが日常的に接する物事や出来事など、目に見えて触れられるものであり、個別で具体的な事象のことです。一方で、抽象とは、これら具体的なものをいくつかまとめて、共通の特性や本質を捉えることです。具体から抽象に進むことで、物事を大局的に見渡すことができ、逆に抽象から具体に降りることで、具体的な行動や解決策を導き出すことができます。
例えば、「犬」という具体的な存在を抽象化すると「哺乳類」になり、さらに「動物」、「生物」、「物質」という概念にまで抽象度を上げることができます。この抽象化のプロセスを通じて、異なる犬種だけでなく、他の動物との共通点や違いも理解することが可能になります。このように具体と抽象を行き来することで、物事を多角的に理解し、思考の幅を広げることができるのです。
ダントツ君の視点:具体と抽象の考え方を日常に活かす
ここで、ダントツ君の視点を交えながら具体と抽象の考え方を日常生活にどのように活用するかを考えてみましょう。
例えば、ミニマリズムや断捨離、ときめく物だけ残すという考え方がありますよね。これらを抽象的に捉えると、早い話が単に物を捨てるんでしょということになります。
また、運動についても同様の考え方が当てはまります。筋トレやスクワットが良いとか、ウォーキングが良いとか、さまざまな運動方法が勧められていますが、これを抽象化すると「運動することが大切」という一言にまとめられます。そして、その結果として筋肉がついたり、身軽になるという効果が現れるのです。ダントツ君は、「筋肉を動かすのは結局脳であり、運動することによって脳も鍛えられる」という高い抽象度での理解に至っています。こうした抽象的な視点を持つことで、どんな運動をするべきかという具体的な選択に囚われず、まずは体を動かすことが重要だということに気付けるのです。それを踏まえて筋トレがいいのか、スクワットがいいのかウォーキングがいいのかの具体的な運動方法にたどり着ぅことができます。
お金を貯める:具体的な行動と抽象的な理解
もう一つの例として、お金を貯めるということを考えてみましょう。給料天引きにすればいいとか給料の10%は貯金に回すとかいろいろ細かな技術はあるかもしれません。お金の運用のプロとかというファイナンシャルプランナーもいろいろぐちゃぐちゃと提案してくるかもしれません。しかし、これを抽象的に考えると、お金を貯めるためには、入ってくる量を増やし、出ていく量を減らせばいい。「お金を使わなければ貯まる」というシンプルな結論に至ります。ダントツ君も、「収入を増やし支出を減らすことで自然とお金は貯まるんだ」と、具体的な節約術や投資戦略を超えた、シンプルな抽象的な考え方に落ち着きました。
このように、具体的な行動から抽象的な本質を見出すことで、日々の選択や行動がシンプルになり、余計な迷いやストレスから解放されるのです。
具体と抽象を行き来する力を鍛えるメリット
細谷さんが「具体と抽象」で伝えたい重要なメッセージは、「具体と抽象を自在に行き来する力を身につけることが、問題解決や創造性を高めるために非常に有効である」ということです。抽象的な視点を持つことで、大きな枠組みで物事を捉え、全体像を理解することができます。一方で、具体的な視点を持つことで、実際の行動に落とし込み、結果を出すことができます。
例えば、ビジネスの場面で問題に直面したとき、具体的な課題(売上が伸び悩んでいるなど)を抽象化して「顧客満足度を高める」という大きなテーマに視点を広げることで、新しいアプローチや解決策を見出すことができます。そして再び具体に戻し、どのように顧客満足度を高めるかという具体的な施策を考えることで、実行に移せるのです。
抽象度を上げることで見える新たなゴール
苫米地英人さんが語るように、抽象度を上げることによって新たなゴールが見えてくるという考え方は、細谷さんの「具体と抽象」とも深くつながっています。最初は「課長になる」という具体的なゴールを持っていた人が、抽象度を上げて「社会に貢献する」という大きな目標を持つようになることで、より大きな視点で自分の行動を見つめることができます。
ダントツ君も、具体と抽象を行き来することの大切さを理解し、自分の生活に取り入れています。具体的には「物を捨てる」ことから始め、抽象化して「心を軽くする」ことを目指す。そしてそれが「持たない生き方」へと繋がり、さらには「自然と共に生きる」という大きなテーマへと広がっていくのです。
具体と抽象を使いこなしてシンプルに生きる
細谷功さんの「具体と抽象」は、私たちが物事を理解するための視点を広げ、より深く、そして柔軟に考える力を育てるための指南書です。具体と抽象を自在に行き来することで、日々の課題を新たな視点で見つめ、シンプルで効果的な解決策を見つけることができます。
ダントツ君の実践のように、日常の些細なことから始めて、抽象度を上げてみることで、思いがけない気づきが得られるかもしれません。具体と抽象をうまく使い分けることで、人生をもっとシンプルに、そして豊かにすることができるでしょう。