終わったことは仕方がないんだぜ。是非にあらず。
斎藤広達の著書『失敗はなかったことにできる』は、ビジネスでも日常生活でも有効な「サンクコスト」発想を活用することで、過去の失敗をリセットし、未来に進むためのヒントを提供する一冊です。サンクコストとは、すでに支払って取り戻せないコストのことを指しますが、斎藤はこの考え方をもっと広く、私たちが過去の失敗に囚われてしまう心の状態にも応用できると説いています。今回はこの本の核心を掘り下げ、ダントツ君の視点からも体験を交えつつ、サンクコスト思考がいかに役立つかを見ていきます。
・死ぬこと以外小さなこと/小さいことにくよくよするな/リチャード・カールソン/おすすめ星3
サンクコストにとらわれない
斎藤広達は、私たちの日常にあふれるサンクコストの例をいくつか挙げています。たとえば、つい口にしてしまった気まずい一言、買ったものの結局後悔してしまった洋服、期待外れのレストランの食事など。これらはすべて、過去の失敗であり、取り戻すことができないものです。
「世の中にはサンクコストがあふれています。過去に巨額の投資をしたのに、全然お客さんが入らないリゾート施設や、暴落してしまった株式、売れずに積み上がってしまった商品在庫も本来はサンクコストです。いまさらどうにもならない過去の失敗なのです。」
しかし、斎藤は重要な点を強調しています。過去の失敗にとらわれ続けていると、心に「負け癖」がついてしまい、未来への挑戦にブレーキがかかってしまうというのです。ダントツ君もこの点には大きく共感します。資格試験に全財産を投じてしまい、結果として10万円を切る絶体絶命のピンチに陥ったことがありました。試験に合格するために多くの時間とお金をかけたにもかかわらず、結果が出なかったときはまさに「負け癖」に囚われてしまいそうでした。しかし、早めにその挑戦に見切りをつけたことで、新しい道に進むことができました。この判断は大正解だったと感じています。
過去の失敗にとらわれず、今すぐ行動を起こす
斎藤広達が語るサンクコスト発想の根本は、「今何ができるかを考え、すぐに行動すること」です。彼は実際に携帯電話を落としてしまった経験を通じて、この教訓を学びました。
「いまできることは何か考えて、最善の手を打つことだけに集中して、嘆くのはあと回しにしたのです。携帯電話をなくしてしまったことで沈んだ気分を引きずって行動を起こさなければ、もっと大きな被害が出ていたかもしれません。だから、すぐにできることだけに集中しました。」
ダントツ君も、まさにこの教えを体験しました。資格試験に失敗し続けていたとき、悔やんでばかりで次に進めずにいたら、今頃どれだけ時間を無駄にしていたかわかりません。資格試験30年選手のように、同じことに固執してしまうのは非常にもったいないことです。何ができるかを即座に考え、次の行動に移すことが、成功への道を切り開くカギです。
サンクコスト発想はビジネスでも成功の秘訣
斎藤広達は、サンクコスト発想がビジネスにおいても非常に重要だと指摘しています。たとえば、あるリゾート事業に100億円もの巨額を投じたものの、全くリターンが見込めなくなったとします。多くの経営者がこのような状況に直面すると、「せっかく投資したから」とプロジェクトを続けてしまう傾向にありますが、それはさらに悪化する結果を招くだけです。
「どんなにプロモーションを打っても顧客誘致に成功しないなら、その事業は処理すべきです。100億円という投資は、過去の失敗として処理し、なかったことにすることが重要なのです。」
この冷静な判断こそ、サンクコスト発想の強みです。ビジネスにおいても、過去に囚われて無駄なリソースを使い続けるのではなく、今できることにリソースを集中することで、新しい未来を切り開くことができます。
「今」を生きるためのサンクコスト発想
もしあなたが現在の会社に就職したことを後悔しているなら、斎藤広達の言葉に耳を傾けてみてください。過去の選択を悔やんでも、今の現実が変わるわけではありません。だからこそ、「次に何をするか」を考えることが重要なのです。
「いまの会社に就職すると決めたときに、別の内定を蹴ったことを後悔するのは、時間の無駄です。当時の選択を後悔したところで、いまの仕事が楽しくなるわけではありません。だったら、すぐに新しいチャンスを探して行動しましょう。」
ダントツ君も、資格試験で失敗した際に同じことを感じました。過去の失敗に固執していても、現実は何も変わりません。それならば、次に向けたステップを踏み出すしかないのです。おそらく、資格試験30年選手たちは未だに同じ場所で足踏みをしているのでしょう。彼らのようにならずに、新しい道を切り開くことが、未来を明るくする最善の選択肢なのです。
失敗をなかったことにする方法
斎藤広達の『失敗はなかったことにできる』は、過去の失敗に囚われず、未来に向けて果敢に行動するための方法を教えてくれます。サンクコスト発想とは、過去を振り返って嘆くのではなく、今できることに集中し、次のステップを迅速に踏み出すことです。斎藤の友人の一人は、バイク事故で右手と右足を失うという大きな挫折を経験しましたが、彼もまたこの発想を活用し、未来に向けて行動し続けています。
「交通事故で手の神経が切れて動かなくになってしまった知人は、過去の失敗を振り返るのは無駄だと悟り、未来だけを見据えています。彼こそが、サンクコスト発想の実践者です。」
私たちが日常で経験する小さな失敗や挫折など、彼の困難に比べれば些細なことかもしれません。しかし、それでも私たちにとっては大切な教訓です。失敗をなかったことにすることで、どんな困難も乗り越えられるのです。
まとめ
斎藤広達の『失敗はなかったことにできる』は、過去にとらわれず未来に向けて進むための力強いメッセージを伝えています。サンクコスト発想を日常生活やビジネスに取り入れることで、失敗から立ち直り、次に進む勇気を手に入れることができます。過去の失敗に囚われるのではなく、「今できること」に集中して行動することが、未来を明るく照らすカギです。あなたも今日からサンクコスト発想を取り入れ、失敗をなかったことにして、新しいチャンスを掴んでみましょう!