「節約生活のススメ」山崎えり子著は、節約を無理なく楽しむためのヒントが満載の一冊です。特に「節約」というと、「我慢すること」「犠牲にすること」というイメージが強いですが、この本ではむしろ、節約を通じて生活そのものを豊かにし、心の余裕を取り戻す方法として紹介されています。
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節約の3K:健康、環境、倹約
山崎さんが提唱する「3K」――健康、環境、倹約は、節約生活を支える三本柱です。この3つの要素をバランス良く取り入れることで、無駄を省きつつ、生活の質を高めることができるのです。
- 健康: 節約生活を送ることは、無駄な消費を減らし、自分の体に必要なものだけを選ぶことでもあります。食べ過ぎや過剰な買い物を避けることが、結果として健康を守ることにつながるのです。
- 環境: 節約はただお金を貯めるだけでなく、環境にも配慮した行動になります。無駄なものを買わず、長く使えるものを選ぶことで、ゴミを減らし、環境負荷を減らすことができるのです。たとえば、使い捨てのプラスチック製品を減らし、繰り返し使えるアイテムを選ぶなど、少しの意識が大きな影響を与えます。
- 倹約: 最後の「倹約」は、もちろんお金を節約することを意味します。ただし、この倹約は無理をするのではなく、無駄遣いを減らし、本当に必要なものにお金を使うという考え方です。むやみに安物を買うのではなく、長く使える品質の良いものを選ぶことが、結果として倹約に繋がるのです。
ダントツ君の視点:「持たない美学」と趣味の質素倹約
ここで、ダントツ君の視点を挿入すると、この「持たない美学」は、節約の究極の形とも言えます。断捨離やミニマリズムが流行するずっと前から、山崎えり子さんの考えは「物を持たないことが心の豊かさを生む」という、斬新な節約哲学を提示していました。物を持つことが当たり前の時代に、あえて「持たないこと」を選択するという発想は、インターネットが普及し、情報がデジタル化された現代だからこそ、一層重要性が増しているのかもしれません。
私、ダントツ君も「持たない美学」を実践することで、物に囲まれていた時には気づかなかった余裕が生まれたように感じます。特に、今はスマホ一台で多くのことが解決できる時代です。書籍も音楽もデジタルで管理でき、かつてのように物理的なスペースに制限されることがなくなりました。そんな便利な時代だからこそ、あえて物を持たない選択肢が有効だということを、山崎さんの節約哲学から改めて教えられました。
さらに、趣味は質素倹約ということで、何かに執着せずに暮らすことで、心の平安を手に入れることもできるのです。質素な生活は、物質的な豊かさに依存しない精神的な豊かさを育みます。
ドイツの節約哲学から学ぶ「本当に必要な物を大切に」
山崎さんは特に、ドイツの人々の倹約哲学に深く影響を受けています。ドイツでは「本当に必要なものにだけお金を使い、それを大切にする」という姿勢が強く根付いています。見栄を張らず、シンプルで機能的な生活を送ることが、彼らにとっての豊かさなのです。
たとえば、ドイツでは「一人分」や「少量でお得」といった考え方はあまり見られません。これは、安くても何度も買うことで結局は高くつく、という認識があるからです。また、彼らは「環境を守るために節約する」という行動を自然に実践しています。例えば、買い物をするときに余計なパッケージを避けたり、再利用可能な容器を使ったりといったことが、日常的な習慣として根付いています。
日本ではついつい便利なコンビニや、少量包装の商品に頼りがちですが、ドイツではそれが無駄だと考えられています。義理で物を送る習慣も少なく、無駄を減らし環境に優しい行動を取ることが当たり前。そうした姿勢が、物を大切に使うことを自然に促し、倹約生活を支えているのです。
スマホ時代の節約術
そして、現代のスマホ全盛の時代には、節約はさらに簡単に、そして楽しくなります。スマホの家計簿アプリやリマインダー機能を使えば、日々の支出を即座に把握することができ、無駄遣いを防ぐことができます。また、ネット通販の価格比較を簡単に行うことで、もっともお得な価格で商品を手に入れることもできます。スマホを使えば、買い物リストを家族と共有することも可能なので、家族全体で無駄を省き、効率的に節約を進めることができます。
まとめ:節約は「持たない美学」で心を豊かにする
山崎えり子の「節約生活のススメ」は、単なる倹約術の本ではなく、生活全体を豊かにし、精神的にも満足できる生活を送るためのガイドです。「持たない美学」を実践することで、物質的な豊かさに頼らない心の豊かさを手に入れることができることを、この本は教えてくれます。
節約は「我慢」ではなく、「選択」です。ドイツのように本当に必要なものだけに投資し、それを大切に使うことで、経済的な豊かさだけでなく、精神的な豊かさも手に入れることができるのです。