テレビ怖コン!/テレビのニュースを一切見てはいけない理由/勝間和代/おすすめ星5
テレビは見てはいけない:苫米地英人が語るテレビの危険性
苫米地英人さんは、日本の有名な認知科学者、コーチングの専門家であり、多くの著書を通して社会や心理に関する鋭い洞察を提供しています。その彼が書いた『テレビは見てはいけない』は、テレビが私たちの心にどのような影響を及ぼしているのか、そしてその影響がどれほど深刻であるのかについて深く掘り下げた本です。本書は、テレビの負の側面に警鐘を鳴らす内容で、普段何気なくテレビをつけている多くの人々に大きなインパクトを与えます。
テレビは洗脳装置
苫米地さんは、テレビが単なる娯楽ではなく、視聴者を「洗脳」する装置として機能していると主張しています。テレビは視聴者の注意を引きつけるために、感情を刺激する内容を流すことが多く、その背後には視聴率を上げるための戦略が隠されています。苫米地さんは、特にニュース番組に注目しており、そこで扱われる情報の多くが「恐怖」や「不安」を煽ることで視聴者を引きつけるようにデザインされていると言います。これにより、視聴者は自分の意思とは関係なく、常にテレビのメッセージに影響されてしまうのです。
さらに、苫米地さんは「テレビは受動的なメディア」であると述べています。私たちはテレビを見ている間、情報をただ受け取るだけで、その内容を深く考えたり疑問を持ったりすることが少なくなります。これが「洗脳」の土壌となり、視聴者は知らないうちに特定の価値観や世界観を刷り込まれてしまうのです。
広告とメディアの裏側に潜む意図
テレビ放送の背後にはスポンサーが存在します。スポンサーの意図は、当然ながら自社の製品やサービスを購入してもらうことです。そのため、広告が直接的に流れるだけでなく、番組の内容自体が広告主の利益を優先して構成されることも少なくありません。苫米地さんは、このような商業的な影響が番組の内容にどれほど大きな力を持っているかを指摘し、視聴者が意図的に「消費者」として操られている状況に警鐘を鳴らします。
彼はまた、私たちが知らず知らずのうちに企業の宣伝に染まってしまうプロセスを「サブリミナル広告」とも結び付けて説明します。例えば、ドラマの中にさりげなく商品が登場したり、特定のライフスタイルが美化されたりすることで、視聴者は無意識のうちにそれを「良いもの」として認識し、購買行動に結びつけられてしまうのです。
テレビが奪うものとは?
苫米地さんは、テレビを長時間見ることが私たちから「時間」と「思考の自由」を奪っていると強調しています。テレビは、私たちの大切な時間を無駄に消費させるだけでなく、私たちの思考を他者、特にメディアや広告主の思惑に沿ったものに変えてしまいます。その結果、本来自分自身のために使うべき時間や、家族や友人との交流の時間が削られてしまうのです。
また、テレビを見続けることで、思考する力が衰えてしまうという点も指摘されています。テレビの情報は、私たちが自ら考える前にすでに結論を与えてしまうため、視聴者は物事を批判的に捉える能力を失ってしまう可能性があります。苫米地さんは、これが現代社会における「考えない人々」を生み出す一因であり、結果として社会全体の知性の低下を引き起こしていると述べています。
テレビから自由になるために
では、私たちはどうすればテレビから解放されることができるのでしょうか?苫米地さんは、まずテレビの視聴時間を制限すること、そしてその代わりに「能動的な活動」を増やすことを提案しています。例えば、本を読むことや新しいスキルを学ぶこと、友人との対話を楽しむことが挙げられます。これらの活動は、受動的に情報を受け取るのではなく、自分自身で考え、行動する力を養うものです。
さらに、彼は情報源を多様化することの重要性を説いています。テレビだけでなく、インターネットや書籍、ラジオなど、多様なメディアから情報を得ることで、偏った情報に振り回されることなく、バランスの取れた視点を持つことができます。自らの意思で情報を取捨選択することが、苫米地さんの言う「思考の自由」を取り戻す第一歩なのです。
ダントツ君も、テレビよりもスポンサーに支配されにくいYouTubeや、テレビショッピングよりもAmazonで実際に購入した人のレビューを参考にすることの方が、自立的で賢い選択だと考えています。YouTubeは、個々のクリエイターが自由に発信するメディアであり、視聴者が自分に合った情報を選ぶことができます。また、Amazonのレビューは多くの実際のユーザーの意見が反映されており、偏りの少ないリアルな情報を得ることができます。
まとめ:テレビに支配されない生き方
『テレビは見てはいけない』は、私たちが無意識にテレビに支配されている現状を鋭く描き出し、その影響から解放されるための道筋を示してくれます。苫米地英人さんのメッセージは、現代社会において「何を見て、何を信じるか」を自分で決めることの重要性を教えてくれます。そして、そのためには、テレビをただ眺めるのではなく、自分自身の目で世界を見つめ直し、考え、行動することが求められているのです。
テレビという身近な存在が、実は私たちの人生にどれほどの影響を与えているのかを知ることで、私たちはより自立した、自由な人生を歩むことができるでしょう。この本をきっかけに、あなたも一度テレビとの付き合い方を見直してみてはいかがでしょうか?